子どもが熱を出すと心配ですよね。幸いにして、発熱そのものは悪いものではありません。大切なのは、熱の他にどのような症状があるのか、そしてお子さんがどのくらい元気かです。以下に良く聞かれる質問と発熱時の解熱薬の使い方を解説します。
■発熱は何度から?
一般的に、直腸温(おしりの穴から測る)で38度以上、または腋窩温(えきか=わきのした)で37.5℃以上を発熱と言います。直腸温が最も正確です。
■なぜ熱が出るの?
体にばい菌が入った時に、そのばい菌を退治しようとして、脳が体に体温を上げるように命令します。熱はいわゆる人間の防御反応です。発熱の原因で最も多いのは感染症(ウイルスや細菌などのばい菌が体に入って、何らかの症状を起こすこと)です。その他の病気、予防接種の後、厚着や部屋の温度が高くで体温が上がることがあります。
■熱は下げないといけないの?
必ずしも、熱を下げなければいけないというものではありません。また熱を解熱剤で下げると、早く治るというものでもありません。熱が高いために、お子さんの体力が消耗したり、食事や水分が取れなかったり、また上手く眠れない・休めないということがあります。このような時は、一時的に解熱剤を使うと良いでしょう。
■発熱のウソ・ホント?
#熱が高くなると脳がやられる?
⇒42℃を超えると、脳に障害が起こることがありますが、それ未満では影響はありません。通常の病気では、42℃を超えることはありません。
#熱が38度以上ある時は、解熱剤を使ったほうがよい?
⇒熱の数字ではなく、子どもの様子を見て解熱剤を使ってください。(高い熱が出ていても、元気な様子であれば、解熱剤は使う必要がありません。)
#熱が高いと重症だ?
⇒熱の高さと重症度は関係がありません。
#熱が続く時は重症だ?
⇒軽症のウイルスによる感染でも熱が1週間以上続くことがあります。
#解熱剤が効かないと重症?
⇒解熱剤への反応と重症度は関係ありません。解熱剤を使っても、熱が思ったように下がらないこともあります。
#解熱剤を飲むと早く治る?
⇒解熱剤は熱の原因を治療するものではなく、一時的に熱を下げるだけです。逆に、解熱剤を飲んだからと言って、治るのが遅くなるわけではありません。
■こんな時は大丈夫?(あくまでも目安です。)
・元気に遊んでいる。
・食事も水分も良く取れている。
・意識がはっきりしていて、笑っている。
・おしっこがいつも通りに出ている。
■こんな時は要注意?医療機関を受診してください。
3ヶ月未満の子ども
元気がなく、ぐったりしている
おしっこが出ない
活気がない
よく眠れず、うとうとしている
水分がとれない
生まれて初めてけいれんした